【英単語 学習法】単語帳では覚えられない。「思い出す練習」が一番の暗記方法。 -脳が認める外国語学習法-
英単語を覚える際、みなさんはどう勉強されているでしょうか。
単語帳をペラペラ見ているだけなのであれば、それはかなり努力が必要な勉強法です。
もっと楽に、楽しく、脳科学に基づいた暗記の方法があります。
大切なのは「思い出す」行為です。
記憶が苦手な人は、記憶力が悪いのではなく、単に思い出す行為を勉強に取り入れていないだけなのです。
今回は、思い出す行為の効果とメカニズムを解説します。
単語帳を見る方法と、単語をテストする方法、どっちがいいのか
暗記する方法として、どちらの方法がいいのか、ある実験が行われました。
1つは、10分間単語帳を見ながら勉強する方法。
もう1つは、5分間単語帳を見ながら勉強し、もう5分間はその単語をテストする方法。
10分後に単語を覚えている数をテストすると、結果は、2つ目の勉強にテストを取り入れたグループの成績の方がよかったのです。
この結果になるのは、ごく自然のことなのです。
なぜなら、1つ目のグループは単語を読む練習をしているだけであって、思い出す練習をしていません。
記憶したいのであれば、必ず「思い出す練習」をするべきです。
記憶を高める脳のスイッチ
記憶するために働く脳の部位は2つあります。
1つは海馬。もう1つは扁桃体です。
(覚えなくてOKです)
海馬は脳内のネットワークです。
記憶を運ぶニューロンとニューロンの道となる役割を果たします。
この海馬がないと、道がないので、記憶が行き来できず、思い出す行為ができません。
扁桃体は人間の感情を司る部分です。
感情は、「記憶の何を保存し、何を捨てるか」を判断します。
例えば、トラが目の前に現れた時、「トラだ!危ない!」と一気に感情が高ぶります。
その時の記憶というのはかなり強烈に残ります。
一方、目の前の鉛筆というのは何の感情の動きもなく、扁桃体が活動しないので記憶に残りにくいのです。
みなさんもご自身の過去の強烈な体験を思い出して見てください。
かなり感情が動いているはずです。
まさに単語を覚える際にも、この脳のメカニズムを利用すればいいのです。
興奮すること、それは「思い出す行為」によって作り出すことが可能なのです。
「思い出す行為」で脳に報酬を与える
英単語帳の一覧をペラペラ見ているだけでは、興奮しているフリをしても無駄です。
脳はそう簡単に騙されません。
(現にめっちゃつまんないですし)
しかし、思い出す行為をすれば脳の状況は一気に変わります。
脳は、脳の判断・思考を伴う作業をする時、本腰を入れるように悟ります。
その結果、思い出そうとするたびにまずは記憶の定着を高める扁桃体が働きます。
「思い出すぞー!」って気合いを入れるイメージです。
単語帳を眺めて気合いを入れることはないはずです。
さらに、「思い出すこと=記憶を再び再生する」行為によって、海馬がネットワークの道を示します。
ネットワークをニューロンが行き来するたび、記憶はさらに強くなっていきます。
何度も思い出すことほど、忘れづらいのもこれが理由です。
そして、思い出そうとしたものをうまく思い出すたびに、脳内に報酬系の物質(ドーパンミン)が出て、海馬に作用し、長期記憶へと繋がるのです。
思い出すことに成功した時、脳内はかなりの喜びを覚えているのです。
このやり方は暗記とは違います。
脳の喜びも全く違うのです。
さらに、思い出す行為で覚えた単語というのはなかなか忘れることがありません。
ペラペラ眺める勉強法がいかに非効率かわかっていただけたかと思います。
-参考図書-